今週は大学院の夏期実習ということで臨床を離れ、学生になって実習をしている。マイクロピペットを泡を入れないように使うのは難しかったり、少しでも条件が違うと細胞培養が出来なかったりとデリケートな細胞を相手に格闘している。
細胞というのは栄養があれば大きくなるわけではなく、足場となる骨格が必要で天然のもの、人工のもの一長一短あり、いかにin vitro(体外)で実験するのが大変か良くわかった。しかも細胞というのはとても贅沢で、沢山ばら撒いてsurvivalしなさいという条件では成長せず、また少な過ぎて「一人でどうぞ」という条件でも成長しない。適度に細胞と細胞が接していて初めて培養できる。
このような細胞を成長させるのが難しいのと脳外科医の育成が難しいのが非常に似通っているように感じた。
脳外科が一人前になるには全科で一番時間がかかると思う。
何故なら脳腫瘍、脳血管障害で手術をしなければならない患者は他科に比べ圧倒的に少ないからだ。
外科医には必ず成長カーブがあり、ある程度症例を経験しないといけないが、症例数(n)の多い病院は術者(s)が多く、症例数が多い病院=(イコール)手術がうまいとは限らない。
逆に術者に比べて症例数ばかりが多くても術後管理が不十分になってしまい手術成績が悪い。
S医大のH教授と脳外科医の教育について話した。
「この症例数(n)と術者(s)のバランスが大変難しいんだ。」
成長するには適度な密度が大事なのは、ある意味自然な状況なのかもしれない。
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