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2005年4月18日 (月)

[脳天気]交渉術

ネゴシエーター(交渉人)という題目の映画があったが、日常診療で交渉というのはとても重要だ。同じ治療、同じ結果でも、話し方一つで患者さんの受け取り方もさまざまで、喜ばせることも悲しませることもある。話し方の下手な先生は損をしていることもしばしばあり、正しい治療していても患者さんの信頼を失うこともある。

私自身としては「もう病気にはならないよ」と言いたいのだが、そんなことを言う自分がいたらそれは偽善者であり、嘘なので、それをどういうかで頭を悩ませる。私の患者さんのほとんどが、脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血といった脳卒中で、何らかの後遺症をもつことがほとんどなので、どうやったら自宅に帰れるか?悩ましく思える。先日も85歳で軽度の麻痺を持った脳梗塞の患者さんがいて、伝い歩きだが何とか歩ける方がいた。家族の軽介助があれば自宅で十分暮らせる程度なのだが、家族は「もう少しリハビリすれば、もう少し歩けるようになるのでは?」と言う。確かにその通りなのだが、「リハビリ」という言葉の魅惑に過剰な期待を持つ家族も少なからずいて、患者さん本人が「帰りたい」といっても「先生から説得して」と逆に頼まれてしまうこともよくある。在院日数を減らすため制度がどんどん厳しくなっている中、後遺症をもった患者さんに「退院してください」というのは楽ではなく、それに多くの時間を割いているのが現実だ。自分の未熟さゆえと反省して、毎日に診療に励んでいるが、交渉人がいればなぁと思う毎日である。

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