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2005年4月19日 (火)

[脳天気]How to Break Bad News

日常診療をしていて、最も悩ましい事といえば、

「悪い知らせ」をしなくてはいけないことである。

それが、生命を脅かす可能性のあることなら、なおさら言い辛い。

一冊の本を紹介する。

【真実を伝える―コミュニケーション技術と精神的援助の指針】
ロバート バックマン (著)

~序論より~
患者は50歳代後半のヨーロッパ生まれの工場労働者であった。
彼は前立腺の生検のため、二人部屋に入院していた。外科医が
部屋にやって来て、ドアの近くに立ち、彼と隣の患者とにまとめて
話をした。その医師はまず隣の患者に向かって、生検の結果は良性
の肥大であり退院できることを告げた。次に医師はドアの所に立った
まま姿勢を変えずに、彼の方を向いてこう言った。

「あなたも退院できますが、悪い知らせがあります。生検の結果は
前立腺癌でした。」と。

そして医師は、それ以上話をすることもなく立ち去った。

この患者は、この後に直面しなければならなかった手術や放射線治療
、化学療法などのあらゆる困難と比べて、どのように対処すべきかを
思いつきもせず、気が狂わんばかりとなった、この最初の衝撃ほど
辛いものはなかったと述懐している。

この場面について、私的見解。

1.プライバシーが守られていない。
 隣の患者さんにも聞こえる状態で患者さんの個人情報が曝露されている

2.病状説明に際して家族などの同席が無い
 1人で病状を聞いた場合、気が動転していて内容を理解できない可能性がある。

3.口頭に加え、書面で説明がない
 2.と同様に書面で残さない場合は、内容がきちんと伝わっていなくても仕方が無い。
 法的にも効力が無い。

4.「立って」一方的な話で終始してしまっている。
 病状説明は基本的には個室で、しかも「座って」やるもの。

5.患者さんの質問、意見を聞いていない。
 病状、治療についてきちんと説明していない。

>この最初の衝撃ほど辛いものはなかったと述懐している。

「悪い知らせ」をするのは、辛く、なるべく穏やかに伝えたいと思うが

真実を曲げて話すのは虚偽になるし、いつも辛い。

医学部学生、研修医に是非読んでもらいたい一冊である。

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真実を伝える―コミュニケーション技術と精神的援助の指針
ロバート バックマン Robert Buckman 恒藤 暁 平井 啓

診断と治療社 2000-02
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医療関係の学生さんの為になる本です。

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